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- 当院のこだわり
患者さまだけでなく、ご家族など周りの環境にも配慮しながら、心の不調を気軽に相談できる医院を目指します
高齢化が加速する現代社会には、人間関係などによるストレスに加え、介護疲れなどでも心の不調が起こり得ます。そのため、患者さまそれぞれのペースに合わせた治療を行うだけでなく、ご家族へのケアにも力を入れています。
医師を志したきっかけ
病気の父が入院治療を受ける様子をみて医療行為に関心をもち、今に至ります。
私が小中学生くらいのころ、父はアルコールによる肝臓の病気を患い、入院治療を受けるような状態でした。医師による治療によって父の体調がよくなる経過をみて、医師というのは大切な職業だなと実感いたしました。
私も父のような病気で苦しむ人たちの役に立ちたいと思い、医師を志したのですが、アルコールなどの精神作用物質について学んでいくうちに、医学の中でも特に精神医療に興味が湧き、今に至ります。
医師としてのやりがい
受診した方に「もっと早く来ればよかった」と言っていただけることがやりがいです。
精神の病気は、風邪のように簡単に改善するものではないと、幼いころは思っていましたし、世間的にもそう思われがちかと思います。しかし、治療によってある程度症状を落ちつかせることは可能です。実際に治療に携わりながら、来られたときよりよくなっていく患者さまの姿を目の当たりにすると嬉しい気持ちになります。
心療内科や精神科はまだまだ敷居が高いですが、受診した患者さまに「もっと早くくればよかった」と言っていただけたときにはやりがいを感じますし、もっと気軽に来院しやすい環境を目指して尽力したいという思いも強くなります。
精神科を気軽に受診していただくための取り組み
市が主催する行事などを通じて、精神科を気軽に受診できる環境作りに努めています。
患者さまご自身に病気の自覚がなかったり、何らかの理由で来院しづらいと感じていたりする場合には、患者さまのご家族だけのご相談にも親身に応じています。
また、市が開催する福祉のお祭り行事に出向いたり、行政が主催する講演会に携わったりと、「顔がみえる身近な存在」になれるよう努めています。病院へ来る前段階で相談する保健師やケアマネジャーなどとのつながりも大事にして、気軽に相談しやすいクリニックとして認識していただくための活動にも力を入れています。
診療の際に心がけていること
患者さまのお話とご家族などからの情報を総合的に捉え、症状の原因を丁寧に探ります。
精神科を受診される患者さまは、人前に出ると緊張して動悸がする・声が震える、眠れない状態が続いて飲酒の量が増えた、女性の場合は生理前にイライラ感が強くなるなど、さまざまな症状を抱えています。そのため、お話をじっくりと伺う中で、症状のきっかけとなっていることを丁寧に確認しています。
また、ご本人も気づいていないことが症状の原因となっていることもあるので、必要に応じて患者さまのご家族などからの情報も伺うようにしています。診断をつけるのは大切ですが、だからといって焦らずに丁寧なプロセスを踏むように心がけています。
治療は薬物療法が主体ではありますが、できる限り少ないお薬で治療を進める方針です。また、説明する際は難しい用語を控え、患者さまの理解度によっては、何度かに分けて説明するなどの配慮もしています。
話すことが苦手な患者さまへの配慮
説明できなくても悩みが伝わるよう、メモに書き留めることをおすすめしています。
患者さまの中には、ご自身で医師にうまく説明できたかを気にする方もいらっしゃいます。そのような場合も想定し、初診の際には、事前に困っている内容を箇条書きにしたメモを作っておくことをおすすめしています。そのメモがあれば、私にも看護師にもお悩みが伝わりやすくなるので、診察の際にこちらからお話を引き出しやすくなりますし、患者さまが医師に言いたかったことを言い逃してしまう心配もなくなるかと思います。
そうは言っても、メモがないと受診できないわけでもないですし、メモに悩みをすべて網羅しなくてはならないわけでもありません。あくまで患者さまのペースに合わせて治療を進めていきますので、ささいなお悩みでも一人で抱え込まず、お気軽にお越しください。